コラム:「プランニング」から逃げるな

最近、プランニングなき計画書を何度か目にしました。

ある会議で、
それまで一度も議論していなかった作業計画が、
突然ベンダーから提示されました。

また別の会社で、
見栄えの良い事業計画書を見せてもらいました。

しかし、誰が何をするのかは全く分かりません。
「検討する」「目指す」「推進する」。

そんな言葉が並ぶだけでした。

私は、この手の計画を
「プランニングなき計画書」と呼んでいます。

計画書はあります。

でも、その計画書には、
「魂」が入っていないのです。

 

プランニングとは「考え抜くこと」

計画(書)自体は、成果物です。

一方、プランニングは、
その計画書を作るまでの思考と議論のプロセスです。

PMBOKでも、Planningはスケジュールを作ることではありません。

目的を整理し、役割を決め、リスクを洗い出し、必要なリソースを考え、
「どうすれば実現できるのか」を考え抜くプロセスです。

つまり、プランニングとは、
未来をシミュレーションすることなのです。

 

プランニングは面倒なもの

本質的に、プランニングは楽しい作業ではありません。

頭を使います。

時間もかかります。

議論が必要です。

意見がぶつかることもあります。

「その担当で本当にできるのか。」

「その工数で足りるのか。」

「予算はあるのか。」

「他部署への影響はないのか。」

考えれば考えるほど、新しい論点が出てきます。

だから、つい ”実作業” に逃げたくなる

私は、この議論から逃げようとする姿勢が気になります。

面倒だから、議論から逃げ、形だけの計画書を作る。

面倒だから、「走りながら考えましょう」と言う。

でも、その場でサボった議論は、
必ずあとでしっぺ返しをしてきます。

 

プランニングの意味

プランニングにはいくつかの大きな価値があります。

自分の頭を整理できる

頭の中では完璧だと思っていたことも、
書き出すと矛盾や抜け漏れが見えてきます。

関係者の認識を合わせることができる

誰が何を担当するのか。

どこまでできれば成功なのか。

ここを曖昧にしたままでは、
組織は同じ方向を向けません。

PDCAの土台となる

計画が曖昧なら、
振り返りも曖昧になります。

改善は、
良い計画の上にしか成り立ちません。

 

目標は計画ではない

例えば、

  • 売上20%アップ
  • 新規事業を推進する
  • DXを加速する

これは、計画ではありません

目標、掛け声です。

計画とは、

  • 誰が
  • 何を
  • いつまでに
  • どんなリソースを使って
  • 何を成果物として出すのか

まで決めて、初めて計画になります。

アクションが見えない計画は、願望です。

 

計画を作るのは目的ではない

もちろん、計画を細かく作ればいいという訳でもありません。

時間ばかりかけて、いつまでも実行されない。

立派な中期経営計画を作ったものの、一度も開かれない。

誰も計画通りやらない。

そんな会社も珍しくありません。

だから私は、短期間で徹底的に議論し、
実行できるところまで具体化することをおすすめしています。

長期は、方向性を整理・合意する。

短期は、週単位まで具体化する

このくらいのメリハリ感がちょうどいいと思います。

 

プランニングから逃げるな

「まず動こう。」

その姿勢は大切です。

でも、プランニングを省くことではありません。

今考えれば解決できたはずの課題を、
未来の自分たちに先送りしているだけです。

実際、プランニングを軽視した組織ほど、
実行段階で何度も立ち止まります。

完璧な計画書を作るのは不可能です。

しかし、面倒でも、考えること。

議論すること。

「本当にこれで実現できるのか」と問い続けること。

そこから逃げないことが、目標達成のキーなのです。

プランニングから逃げるな。

 

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