コラム:バブル世代へ「独立のススメ」

「今月で定年なんだよ。とりあえず再雇用で
今の会社に残ることにした
よ」
「実は、定年後は別の会社で働いてるんだ」

ここ数年、こんな話をよく耳にします。
バブル世代の“大量定年時代”が、
いよいよ本格化してきています。

再雇用で同じ会社に残る人もいれば、
別の会社に新天地を探す人もいます。

ただ、再雇用だと給料は半分、
転職先ではパワハラ上司に遭遇…..

「うーん、思ってたのと違うなぁ」
という声もよく聞こえてきます。

そこで、もうひとつの選択肢。
自分でビジネスを始めるという道です。

独立と聞くと、ちょっと構えてしまうかもしれません。
でも、実際は自由と責任が同居する、
けっこうワクワクする世界でもあります。

今回はそんな「独立」のリスクと魅力について
考えてみたいと思います。

 

「人脈」の限界

独立した人の多くは、最初の仕事を
“人脈”から得ています。

「昔の取引先が声をかけてくれてさ」
「先輩の紹介で週2日の仕事が決まったんだ」

よくある話です。最初のうちはうまくいく。

でも、紹介してくれた相手も気づけば定年、
会社の体制も変わって連絡が途絶える。

「まぁ、そろそろ潮時かな」と自然消滅……。
そんなケースも少なくありません。

でも、それって、正直もったいな気がします。
まだまだ、あなたの経験や知恵を
必要としている人はたくさんいます。

人脈が尽きたのではなく、
営業活動をしていなかっただけかも
しれません。

 

自分の「強み」を説明できるか?

新しい仕事を得るには、まず
自分の「強み」を言葉にすることが必要です。
……と言っても、これが案外むずかしい。

特に転職経験のない方にとっては、
外に向けてスキルを説明した経験が少ないからです。

「〇〇部長をやってました」
「××プロジェクトを担当してました」
たしかに立派ですが、それだけでは
相手に“何ができる人か”が伝わりません。

そして、多くの人が勘違いしています。
「強み=自分の得意なこと」だと。

でも本当の「強み」とは、
相手がお金を払ってでも欲しい価値のことです。
つまり、「自分と仕事をすると、相手の状況がどう良くなるか?」。

そこを説明できて初めて「強み」と言えるのです。
この視点がないと、お客さんとの会話が噛み合いません。

 

棚卸しと「第三者の目」

自分の強みを整理する―
頭では分かっていても、やってみると難しい。

そこで、誰かと話してみるのがおすすめです。
元同僚でも、キャリア支援サービスでもOK。

話しているうちに、
「それって若い人が苦手なところですよね」
「今の業界だと、そこ需要ありますよ」

第三者の目だからこそ、自分でも
気づかなかった“宝”が見つかることがあります。
ひとりで悩むより、壁打ちしてみたほうが早い。

独立は、孤独な戦いではなく、
実はチームプレイです。

 

経験を「抽象化」する

もうひとつ大切なのが、
自分の経験を一般化、抽象化すること。

たとえば、製造業で30年働いてきたとして、
「うちの会社ではこうしてた」と話すだけでは、
”過去の武勇伝”になってしまいます。

「自分の会社の業務は、業界他社と比べて
どこが標準で、どこが特殊だったのか」
「様々な課題を、どういう手順で整理し、
どういう方法論で解決してきたのか」

そう整理できると、あなたの話は一気に他社でも
使える知恵になります。

経験を抽象化できれば、
“応用力”が生まれます。
初めての環境でも怖くない。

とはいえ、
この一般化・抽象化も一人ではなかなか難しい。

だから、ここでも壁打ち相手の存在が効きます。

あなたの中の「当たり前」が、
他人にとっては“金脈”かもしれません。

 

「独立」でしか味わえない楽しさ

日本の労働力不足は、ますます深刻になっていくでしょう。
だからこそ、バブル世代の知恵と経験が求められています。

独立というのは、もちろん自己責任の世界です。
でも、そのぶん自由もあります。

「誰に気を使うでもなく、自分で決められる」
「お客さんが喜んでくれる瞬間が、純粋にうれしい」

そんな感覚を味わえるのが、独立の醍醐味です。

第一歩は、開業届でも屋号決めでもありません。
誰かと「強み」について話すことです。

 

 

当社でも「スモールビジネス」立ち上げ支援コンサルティングを提供しています。
お問い合わせください。

<戦略・ビジネスモデル関連のコラム>

<「組織・人」関連のその他のコラム>

<その他 人気のコラム>

<ホームページTOPへ>

 

Facebookをフォローする👇