
「部下が思うように動かない。」
「言ったことしかやらない。」
「何度説明しても理解してもらえない。」
最近、経営者やマネージャーの方から、こんなセリフを聞くことが続きました。
もちろん、本当に部下側に原因があることもあります。
ただ、同時に、こんなことも思います。
本当に、部下が原因なのだろうか?
「ちゃんと指示した」は、本当?
「ちゃんと指示したのに、部下ができない。」
しかし、具体的な状況を聞いてみると、
少し厳しい言い方ですが、
「ちゃんと指示した」とは思えないことが少なくありません。
もちろん、その方は仕事ができる人です。
だからこそ、自分では説明したつもりになっています。
でも、その説明は、自分の頭の中が前提になっているのです。
例えば、新しい業務改善の話をするとします。
経営者やマネージャーは、そのテーマについて何か月も、あるいは何年も考えてきています。
いろいろな失敗も経験し、自分なりの考え方もできています。
一方で、部下はどうでしょう。
その話を聞くのは今日が初めてかもしれません。
背景も知りません。
なぜその結論になったのかも分かりません。
それなのに、同じ理解を求めてしまう。
これは少し無理があります。
頭の中の整理
私が考える一番の原因は、これです。
その人自身の頭の中が、まだ整理し切れていない。
考えていないわけではありません。
むしろ、たくさん考えています。
だからこそ、いろいろな知識や経験が頭の中に詰まっています。
ただ、それが構造化されていない。言語化されていない。
だから説明すると、
「いい感じにやって。」
「普通に考えれば分かるよね。」
「前にも話したよね。」
という言葉になってしまいます。
でも、部下からすれば
「何を基準に」
「どこまで」
「何のために」が見えていません。
これでは動けないのも当然です。
頭の中は見せられない
私はコンサルティングの仕事で、お客様の考えを整理する機会がたくさんあります。
すると、よくあるのが、
「言われてみれば、そういうことだったのか。」
という反応です。
頭の中では分かっていたことでも、言葉にしてみると曖昧だったことに気付くのです。
実は、これは特別なことではありません。
人は、自分の頭の中をそのまま他人に見せることはできません。
だからこそ、言葉にし、整理し、構造化する作業が必要になります。
マネージャーの仕事は、仕事を構造化すること
私は、マネージャーの仕事は、部下を管理することではないと思っています。
そして、「人を使うセンス」の問題でもないと思っています。
仕事を構造化することです。
この仕事の目的は何か。
完成形はどんな状態か。
どんな順番で考えればいいのか。
判断に迷ったら何を優先するのか。
こんな整理があると、人は安心して動けます。
逆に言えば、この整理ができていない状態では、
どんなに優秀な部下がいても、期待どおりの成果は望めません。
「部下が動かない」と思ったら
もし部下が思うように動かないと感じたら、立ち止まって考えてみてください。
自分の考えを、相手が理解できるレベルまで言語化できているだろうか。
仕事ができる人ほど、自分では当たり前になっていることが沢山あります。
だからこそ、それを一つひとつ言葉にしていく必要があります。
人を使うというのは、教え込むことではありません。
自分の頭の中を整理し、相手が理解できる形に変換すること。
最近、その大切さを改めて感じています。
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