コラム:業務分担のルール「RACI」を知っていますか?

新年度を迎え、新しい組織体制がスタートした会社も多いのではないでしょうか。
それと並行して、部門横断のチームが立ち上がるケースも増えています。

経営改革プロジェクト、DX推進タスクフォース、収益改善のクロスファンクショナルチームなどです。

こうしたチームは、立ち上げ時は期待も大きく、意欲的にスタートします。
しかし、しばらくすると、

  • 誰が何をすればよいのか分からない
  • 本業との兼務で優先順位が曖昧になる
  • 会議は増えるが前に進まない

といった状況に陥ることも少なくありません。

プロジェクトがうまくいかない原因は様々ですが、
最大の理由は、

「誰がやるのか」と「誰が決めるのか」が曖昧 

というものです。

この点を整理するために有効なのが、
RACI (レイシー)という考え方です。

 

RACIとは何か

RACIまたはRACIマトリクスは、
コンサルティングプロジェクトではよく使われる役割分担の考え方です。

RACIとは、以下の頭文字です。

  • R(Responsible person):実行責任者
  • A(Accountable person):最終責任者
  • C(Consulted person):相談先
  • I(Informed person):情報共有先

Responsibleは、作業を実行する人
Accountableは、最終的に意思決定し、結果に責任を持つ人を指します。

Consultedは、助言を行う立場、
Informed、は状況を共有しておくべき関係者です。

タスクごとにこれらの役割を定義し、マトリクス形式で整理するのが一般的です。

 

RACIのメリット

RACIの最大のメリットは、
曖昧になりがちな役割分担と責任の所在を明確にできる点です。

所属部署での日常業務では、暗黙の了解や慣習によって役割がある程度整理されていることが多いものです。
一方で、プロジェクトやタスクフォースでは、そもそも業務自体が非定常であり、役割が曖昧になりやすいのです。

その結果、

  • 誰も決めない
  • 誰もやらない
  • 調整ばかり増える

という状態に陥ります。

プロジェクトを成功させるためには、
役割と責任の明確化が不可欠です。

(もちろん、この視点は日常業務でも必要です。)

 

RACIの基本

RACIを使う上で、
押さえておきたいいくつかの基本があります。

すべてのタスクにRとAを指名する

まず、すべてのタスクにRとAを指名することです。
自主性に任せるだけでは、特に横断型のプロジェクトは機能しにくくなります。


タスク毎にRを指名する

次に、タスクを複数に分割した場合は、それぞれにRを指名することです。
複数人で対応する場合でも、「誰がやるのか」を明確にする必要があります。


Aは必ずひとり

そして最も重要なのは、Aは必ず1人にすることです。
最終的に意思決定する人が複数いると、判断が曖昧になります。

 

運用上の留意点

RACIを機能させるためには、いくつかの注意点があります。


Aは「説明責任者」ではない

Accoutableを「説明責任」と日本語訳することがあるので、誤解しやすいのですが、
Accountableは、単に結果を説明する人ではありません。

そして、上申された内容を受動的に意思決定する人でもありません。

タスクの「成果物」「納期」、場合によっては「作業手順」を決める人です。
さらに、タスク間の調整や関係性のモニタリングも担います。


RACIは階層構造

次に、RACIは階層構造で考える必要があります。

例えば、大タスクXが小タスク1・2・3で構成されている場合、
大タスクのAは部長クラス、Rは課長クラス。
各小タスクのAは課長クラス、Rはメンバーという具合です。
課長クラスは、部長クラスから指示された「成果物」をつくる作業を、メンバーに割り振るイメージです。

これを理解していないと、部長がすべてのタスクのAとなり、意思決定が滞ります。


C・Iは戦略的に使う

Cは「相談先」ですが、単に相談するに留めるのではなく、戦略的につかうべきです。
例えば、取り組みに否定的な役員などをCに指名し、後日のちゃぶ台ひっくり返しを避けるなど。
Iも同様に、単なる「情報共有先」ではなく、プロジェクトの進行や施策自体の浸透に必要な相手に共有すべきです。

 

まとめ

日本企業では、役割や責任を曖昧なままに仕事を進めることが少なくありません。
これは柔軟性という意味ではメリットもありますが、プロジェクトにおいては進捗停滞やコンフリクトの原因になりがちです。

RACIは、こうした課題をシンプルに解消するための考え方です。

プロジェクトを成功させる秘訣は、
「誰がやるか」と「誰が決めるか」を明確にすること

難しいことではありませんが、徹底するのは意外と難しいポイントです。

新年度のスタートにあたり、ぜひ一度、自社の業務分担やプロジェクトの進め方を見直してみてはいかがでしょうか。

 

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