
「うちの業界を知らないくせに、
コンサルなんてできるわけがないだろ!」
もしあなたが経営者であれば、一度は思ったり、
または実際に、言ったことがあるかもしれません。
コンサルタントとして仕事をしていると、
この言葉は本当によく投げかけられます。
特に、専門性の高い業界で
長年ビジネスをされてきた経営者の方ほど、
そういうお考えをお持ちのようです。
お気持ちはよく分かります。
ただ、ここには少し大きな誤解があります。
今回は、
「コンサルタントは、なぜ初めての業界、
初めての会社でも仕事ができるのか」
という話をしてみたいと思います。
この話は、
- 経営者として、コンサルをどう使うべきか
- 自社のビジネスを「コンサル的思考」
で見直すには、どう考えればよいか
を考える上でも、きっとヒントになるはずです。
なぜ業界未経験でも成立するのか ― 2つの理由
理由は、大きく分けて2つあります。
① 企業である以上、経営の基本構造は同じ
まず前提として、どんな業界であっても、
企業活動の本質は共通しています。
- 人・モノ・金・情報といったリソースを調達し
- それらを組み合わせて付加価値を生み
- 市場に提供し、対価を得て利益を出す
この構造自体は、業界が違っても変わりません。
あくまで私の実感値ですが、
- 50%程度は、どんな会社でも共通
- 30%は、業界やビジネスモデルが同じであれば共通
- 残り20%が、その会社固有の事情
という感覚です。
そして、この「20%」も、会社というよりも、経営者やキーパーソンといった「人」 の嗜好によって決まっているケース が少なくありません。
言い換えれば、
必ずしも業界知識がなくても、
事業構造、意思決定の仕方、数字の流れ
を押さえれば、経営の議論は十分に成り立つということです。
②コンサルは「その業務のプロ」ではない
もう一つは、そもそも役割が違うからです。
コンサルタントは、
- 会計のプロ
- マーケティングのプロ
- システムのプロ
- 業務効率化・構造設計のプロ
であって、御社の現場業務を代わりにこなす人間ではありません。
現場の作業を誰よりも早く、正確にこなすことが目的ではありません。
むしろ、
- なぜこのやり方になっているのか
- 他に選択肢は本当にないのか
- 数字や構造として、どこに歪みが生じているのか
こうした点を、第三者の視点で問い直すことが仕事です。
業界の「当たり前」にどっぷり浸かっていないからこそ、
また、他の業界や企業を数多く見てきているからこそ、
経営者ご本人が見落としがちな点に、踏み込めるのです。
逆に「ダメなコンサル」の見分け方
ここまでの話を逆から見ると、
「避けた方がいいコンサル」の特徴も明らかです。
① 自分の経験談でしか語らない
「前の会社ではこうでした」
「昔やったプロジェクトでは……」
こうした話ばかりするコンサルには、注意が必要です。
それは、経験を 抽象化・体系化できていない
可能性が高いからです。
再現性のない成功体験は、
別の会社ではほとんど役に立ちません。
さらに、業界の常識に染まり切ってしまい、
改善策を出せないのであれば、
経営にとっては有害ですらあります。
②プロ領域の方法論を持っていない
会計、マーケティング、業務設計、システムなど、
どの領域のコンサルタントであっても、
- 現状をどう把握するのか
- どこを改善ポイントとして捉えるのか
- 解決策をどう定義するのか
- それをどう実行・定着させるのか
といった一連の手順や手法を、
本来は持っているはずです。
これがなければ、
コンサルティングに再現性は生まれません。
もし、その方法論が見えないのであれば、
それはコンサルではなく、
単なる顧問や相談相手に過ぎません。
③最低限の経営知識、特に財務・会計が弱い
どんな改善も、
最終的には「利益」を上げるため、
あるいは伸ばすために行われます。
だから、解決策と財務数値の繋がり
を説明できることは、極めて重要です。
たとえば、
- このマーケティング施策の費用はこれくらいかかるが、売上がこの程度伸び、結果として利益はこのくらい増える
- このシステムを導入すると、業務が効率化されコストが下がり、利益がこのくらい改善する
- この投資は初期費用がかかるが、減価償却や税務効果を踏まえると、トータルではこの程度の利益成長が見込める
- 現在の経営状況を考えると、売上拡大よりも、まずは費用削減を優先すべき
こうした 経営指標とのつながりを理解した上で
打ち手を語れない のであれば、
それはコンサルではなく、
単なる「解決策」の押し売りです。
コンサルを使う側の視点の転換
もしあなたがコンサルを使うのであれば、
聞くべき質問は、こうではないでしょうか。
「うちの業界を知っていますか?」
ではなく、
「何を、どこまで変えてくれますか?」
この視点に切り替えるだけで、
コンサルの使い方も、得られる成果も
大きく変わります。
そして実は、
この考え方は、自社ビジネスを見直すときにも、
そのまま使えます。
- 自分たちは、お客様に迎合するだけの御用聞きになっていないか
- お客様の何を変え、どんな姿を実現しようとしているのか
- 自分たちは、何の専門家なのか
今一度、立ち止まって考えてみてはいかがでしょうか。
「コンサル選び」にお悩みなら⇒
Facebookをフォローする👇
