あなたは、マネージャーとして部下やチームメンバーを持っていますか?
マネージャーの役割は、メンバーに仕事をやってもらうこと。しかし、実際は「思うように部下が動いてくれない」と感じている方も多いのではないでしょうか。
「指示したことができない」「言われたことしかしない」「自分で考えない」と、悩みは尽きません。
そこで今回は、メンバーに「仕事をやらせる技術」について整理してみます。
仕事をやらない理由
まず、なぜメンバーが仕事を進めないのか、その理由を考えてみます。よくあるケースとしては、次のようなことが挙げられます。
- 他の業務が忙しい
- まだ期限が先なので後回しにしている
- 上司の指示を具体的な作業計画に落とせない
- 指示待ち姿勢が強い
- 能力不足
- 問題があっても上司が怖くて報告できない
本当の理由
こういったケースでは、マネージャーはどうしても「部下のやる気や能力の問題だ」と思いがちです。
しかし、マネージャー自身に原因があることが大半です。たとえば、次のような点で心当たりはありませんか?
- 曖昧でわかりにくい指示をする
- 言うことが毎日変わる
- 思いつきで指示を出す
- 仕事を丸投げしてしまう
- 任せると言いつつ細かく口出ししてしまう
- メンバーの能力を無視して無理な要求をする
適切な指示を出すことがマネージャーの仕事
大前提としてですが、マネージャーの仕事は「相手のレベルに応じた適切な指示を出す」こと。相手の能力や経験によって、指示の出し方を変えることが重要です。
- 経験豊富なメンバーの場合
ゴール(最終的な成果物)と完了時期だけを伝え、あとは適宜中間報告を受ける形が理想です。具体的な進め方については、その人に任せます。
- 少しジュニアなメンバーの場合
ゴールと完了時期の提示に加えて、作業計画や中間成果物を一緒に作成するのが良いでしょう。そして定期的(週次など)に進捗を確認すること。日々の細かな作業や問題解決については本人に任せ、必要に応じてフォローするのが理想です。
- 新人の場合
作業計画や中間成果物、場合によっては作業手順まで、こちらから細かく示す必要があるでしょう。できるだけ毎日進捗を確認し、問題が発生したら一緒に解決してあげることが大切です。
読んでお分かりになった通り、適切な指示をだすためには、マネージャー自身が明確なゴールや作業の流れのイメージを持っていること、メンバーの能力や他の仕事の忙しさを把握していること、などが重要なのです。また何らかの事業で計画変更になった場合も、命令するだけなく、相手に応じたコミュニケーションが必要なのです。
状況に応じたアプローチ
ただ、上記はあくまで「原則」です。
たとえ経験豊富なメンバーでも、進捗が思わしくなく、改善が見られない場合は、段階的に下(ジュニア)の管理方法に移行することが必要です。経験や能力があっても様々な事情で上手く行かないことはあるのが常です。したがって、その際も感情的にならず、メンバーと一緒に課題を解決する意識が重要です。怒りや恐怖でメンバーを動かそうとすると、メンバーから悪いニュースが上がってこなくなったりして、かえって悪い結果を招くことがあります。
さて、あなたはマネージャーとして、適切な仕事の「させ方」が実践できているでしょうか?