コラム:決められない時は「消去法」で決める

大きい買い物をするとき、または何かの大きな判断をするとき、即断ができず大きなチャンスを逃したことはありませんか?
そういう人は大抵の場合、その意思決定に必要と思ったありとあらゆる情報を集めようとしたり、ありとあらゆるリスクを洗い出そうとして時間を浪費しがちです。しかし、いくら時間を掛けたとしても、すべての情報やリスクを集めるのは不可能です。では、どうするか? 今回はそんな話を書いてみたいと思います。

 

 

効果的な方法の一つが「消去法」です。
意思決定にもいくつかの段階がありますが、各々の段階で「消去法」は使うことができます。

 

何をやるか?
同じ目標を実現するのにも、その手段は様々です。
しかし、自分が取り得る手段は限られています。手持ちの手段の中で予算面や置かれた状況を踏まえて実現の可能性のあるものは限られているはずです。例えば、日本縦断旅行をするとします。手段は飛行機、船、鉄道、車、歩きという手段があります。時間に制約がある人は、飛行機を前提に旅程を組まざるを得ません。お金はないが時間はある人であれば、車とか歩きも考えられます。お金と時間があるシニアであれば、高級クルーザーやプレミア寝台列車が良いかもしれません。いずれにしても、取れる方法は実は限定されるのです。

やるか、やらないか?
やるとどうなるかよりも、やらないとどうなるかを考えた方が早道です。やらないと今と変わりません。やっても失敗するかもしれませんが、やらないと成功はありません。効果が確かでないものの投資対効果を試算するより、損失が許容範囲かどうかだけで判断するのが正解です。

いつやるか?
今やる場合と、来年やる場合、結果は変わりますか?
先延ばしにするとどんな条件が変わりますか?スキルが上がる?金利が上がる?景気が良くなる?それらの条件は、先延ばしにすることで好転する可能性は高いですか? 不確実なことを極端に楽観視することこそリスクです。(好転することが確実ならば、延期する合理性はあります。)

誰とやるか? (誰とパートナーになるか? 誰から買うか?)
自分一人でやれますか? できないなら誰かを巻き込みましょう。では誰とやりますか? 今近くにいる人とやりますか?それとももっとうまくできそうな人を探しますか? これも費用や時間の制約から、選択肢は自ずと限定されます。手持ちの選択肢の中でパートナーを選び、むしろこちらの要望をきっちり理解してもらうことに時間を使うべきです。

 

大きな判断を行うのは怖いかもしれません。時間を掛けていろいろ検討したくなるのも良く分かります。しかし、100通りもの案を検討したところで、取りうる案はいくつもないことが多いのです。手持ちの選択肢を与件として捉え、その中でどう上手くやるのかを考える方が成功に早くたどり着くのではないでしょうか。